マインドマップでアイデア創造 No.3 「今までになかった『つながり』を考える」

写真 「都市の夜景」
エジソンは世の中から闇をなくしたいと考え電球を発明した

塚原美樹です。

 

前回は、良いアイデアを生み出すために、ひらめく状態を意図的に作る方法についてお話ししました。

 

今回は、そもそもアイデアというのは、どういう仕組みで生まれてくるのか、その原理的なところについてお話ししたいと思います。

 

実は、アイデアというのは、何もないゼロのところに突然生まれてくるものではありません。

 

では、アイデアの実体は何かというと、アイデアとは、すでに存在する何かと何かの、今までになかった新しい「つながり」の発見結果であると言うことができるでしょう。

 

1.今までになかった「つながり」を発見する

さて、ちょっと頭の体操です。たとえば、以下のものは、何と何をつなげて生まれたと思いますか?

 

  • 電子書籍 = ○○ × ○○
  • 卓上扇風機 = ○○ × ○○
  • 電動歯ブラシ = ○○ × ○○
  • LINE = ○○ × ○○
  • Amazon = ○○ × ○○
  • Apple = ○○ × ○○
  • Google = ○○ × ○○

 

特に正解があるわけではないですが、こんな参考解を考えました。

 

  • 電子書籍 = 本 × コンピュータ
  • 卓上扇風機 = 扇風機 × 一人用
  • 電動歯ブラシ = 歯ブラシ × 自動振動
  • LINE = スタンプ (絵的コミュニケーション) × チャット
  • Amazon = コンテンツ × 宅配
  • Apple = ユーザビリティ × コンピュータ
  • Google = 検索 × ストレージ

 

いかがですか? この例から分かるように、新しい製品や新しいサービスというのは、今までにあった何かと何かの組み合わせから出来上がっていますよね。けれど、その組み合わせは今までになかった新しいものなのです。

 

つまり、アイデアを考えようと思ったら、既存の何かと何かの新しいつなげ方のパターンを考えれば良いのです。

 

孫正義さんは、若かりし頃、毎日、何か一つ発明をしようと考え、何かと何かの新しいつなげ方を、コンピュータを使ってランダムに作っていたということを、本で読んだことがあります。確かに、ランダムに何かと何かを抽出すれば良いだけですから、コンピュータを使えば簡単にできますね。

 

何かと何かをランダムに抽出することは、コンピュータを使って簡単にできますが、新しいつながりから何を生み出せるのか、これを考えることができるのが、人間の脳のすごいところです。

 

新しいつながりから生み出されるものが、役に立つのか、価値を持つのか、ユニークであるのかなど、さまざまな情報を一気に統合するような思考が脳の中で行なわれ、その結果として新しいアイデアが生まれるのでしょう。

 

2.存在しないものを「イメージ」する

新しいアイデアが生まれる時、おそらく私たちの頭の中では、「何かと何かをつなげたらこうなる」というイメージが生まれているのではないでしょうか。

 

エジソンは、「世の中から闇を無くす」と考えて電球を発明したと言われています。きっとエジソンの頭の中には、夜でも明るい世の中の様子がイメージされていたのでしょう。今となっては、明るい夜の街の情景は、当たり前のものとなりましたが、当時、存在しなかった「明るい夜の街」をイメージするのには、大きな想像力を必要としたことでしょう。

 

すると、やはり、アイデアを生みだすためには、子供のような柔らかい頭で、今、存在しないものを「空想する力」が必要だということも分かります。

 

これは、シリーズ記事のNo.1「思考の枠をはずす」でお話しした「前提を考え直す」ということや「視点の次元を上げる」こととも関係しています。今、目の前にあることを当たり前とせず、前提をはずして大きく物事を見たり、空想することができれば、今存在しないものをイメージすることができるのではないでしょうか。

 

天才と呼ばれた人たちのアイデアはいずれも、当時としては非常識で、ありえないアイデアだったのです。けれど、そのアイデアの実現を信じることができ、それに向かって努力し続けたからこそ、非常識なアイデアは本当に素晴らしい発明や発見につながったのではないでしょうか。

3.マインドマップは「つながり」と「イメージ」を活かすツール

さて、アイデアは、「今までにないつながり」を発見し、「今まで存在しないものをイメージする」ことで、生み出されることはご理解いただけましたでしょうか。

 

実は、マインドマップは、この「つながり」と「イメージ」を考えるのにはとても便利なツールです。

 

そもそも、脳のやっている仕事というのは、「イメージ」を思い浮かべ、それを「つなげる」ことです。

 

マインドマップの考案者であるトニー・ブザンは、脳の使い方について研究し、脳は「イメージ」を使って思考をしていると考えました。そして、脳のしている仕事は、そのイメージを「思い浮かべ (Imagination)」て「つなげる (Association)」ことであると考えたのです。

マインドマップ 「Writing an ESSAY」
「Imagination & Association」という脳の仕事を視覚化できるマインドマップ

その脳のしている「Imagination & Association」という仕事を、紙の上に視覚化したものがマインドマップです。マインドマップを使うことで、脳が行っている「Imagination & Association」という仕事が見えるようになり、より明確化するために、その働きがより生かされるのです。

 

何かのアイデアを考える時には、最初から良いアイデアが出てこなくても構わないので、頭に思い浮かぶことをどんどんマインドマップにかいてみてください。連想を活かして、「これは関係ない」と思うようなものでも排除せず、どんどんランダムにかいていきます。この時、最初から「まとめよう」と考えないことが大事です。まとめようとすると、思考が枠にはめられ、自由な発想が遮られるためです。

 

頭の中に浮かんだ小さな「イメージ」を、まず、かき出して見える化します。さらに、そこから連想される「つながり」もかき出して、見える化するのです。これをどんどん続けます。

 

そして、時々、マインドマップ全体を見渡してみてください。すると、さまざまな雑多な情報が統合的につながってきます。こうして紙の上でブレインストーミングをしているうちに、ふと「ひらめき」が起きるかもしれません。

 

あなたもぜひ、マインドマップで新しい「つながり」を発見し、自由に「イメージ」して、新しいアイデアを生み出してみてください。

シリーズ記事 「マインドマップでアイデア創造」