「フルマインドマップ」とは、「整理軸のある」マインドマップのことです。
フルマインドマップには、第1階層目に「太いブランチ (メイン・ブランチ)」があり、これが、マインドマップにかかれる情報の整理軸になっています。つまり「まとまり」を表しています。
フルマインドマップでは、ブランチの塊ごとに整理された内容を、かいていくことができます。
一方で、フルマインドマップは、完全に構造的に作成するのものでもありません。整理軸を持ちながらも、頭に自然に浮かんでくる連想を活かしながら考え続けるために用います。
なお、塊ごとに同じ色を使って作成しておくと、色の違いで「まとまり」の違いが一目で分かるので、とても便利です。
それでは、フルマインドマップのかき方を、順を追って解説しましょう。
ここでは、まず「自己紹介のマインドマップ」の作成手順を解説します。
まず最初に、先にお話ししておくことが1つあります。
フルマインドマップは、整理軸を持っていますが、ロジックツリーのように、完全に整理が終わった状態をかいているわけではありません。ですので、あまり考えすぎず、頭に浮かぶことを適当にかいていけば良いと思っていてください。
フルマインドマップでは、まず、整理軸としてメイン・ブランチを作成します。その後は、脳の自然な働きにまかせ、連想されるものをどんどんかいていきましょう。
マインドマップは、「思考の結果」ではなく、「思考のプロセス」をかくものです。なので、フルマインドマップは、ある程度構造的でありながら、自由で柔軟性を持っています。
白い紙を用意したら、まず、真ん中に「セントラルイメージ」を描いてみましょう。自己紹介ですので、私は自分の顔を描いてみました。
セントラルイメージの大きさは、A4サイズの用紙だったら、こぶしの大きさよりも大きいくらいで。あまり小さいと、ブランチをたくさん伸ばすことができなくなります。また、なんとなく縮こまったマインドマップになってしまいますので、のびのびと自由に描いてみてくださいね。
セントラルイメージは、カラーペンや色鉛筆などを使い、なるべくカラフルに作成します。
普段から絵を描かないという人は、ちょっと抵抗感を持つかもしれませんね。けれど、何を描いても構わないので、気軽に取り組んでみてください。上手に描けなくても、まったく問題ありませんよ。
描いているうちに、「結構、楽しいな」という気持ちになってきたら、最高です!
セントラルイメージができあがったら、時計の1時の方角からブランチをかき始めます。
まず、メイン・ブランチを1本かいてみましょう。
真ん中から外に向かって、ふちどりをかき、その中を丁寧に塗りつぶしていきます。この時、メイン・ブランチが、セントラルイメージにくっついているようにかきましょう。
メイン・ブランチをかいたら、その上側に「まとまり」を表す言葉を書きましょう。今回は、自己紹介ですので、「家族」「歴史」「仕事」「趣味」というまとまりで、マインドマップを作成していこうと思います。
なお、マインドマップのブランチの上側には、文章は書きません。言葉かイメージをかくようにしてください。
メイン・ブランチの上側の言葉のことを、「BOI (Basic Ordering Idea)」と呼びます。BOIは、「まとまり」を表します。つまり、マインドマップの整理軸になっています。
メイン・ブランチの先には、連想されることを、どんどんかいていきます。ブランチをかいたら、その上側に言葉かイメージをかきます。
メイン・ブランチに対し、第2階層目以降の細いブランチのことを、「サブ・ブランチ」と呼びます。
第1階層目の上側の言葉、つまりBOIは少し大きめにかいておくと、まとまりとして見やすくなります。
一方で、第2階層目以降の外側の言葉は、BOIよりも小さくかいていきます。
最初の塊がだいたいできたと思ったら、次の塊も作っていきましょう。
かいていると、同じ言葉が何度も出てきたり、階層や分類がおかしいと思うことがあるかもしれません。
ですが、ロジックツリーのように正確な構造を作る必要はありません。
マインドマップは、連想を見える化しているようなもので、思考のプロセスをかいています。なので、脳が自然に思い浮かべたことを、そのままかけば良いのです。
また、かく場所を間違えたと思うことがあるかもしれませんが、これも、あまり厳密にする必要はありません。あとから、「矢印」や「マーク」を使って、別のところとの関連づけを行うことも可能です。
なので、最初は、脳が自然に思い浮かべた連想を、とにかくどんどんかいていきましょう。
こんな風に、セントラルイメージを囲んで、ぐるっとかいていきましょう。
時計回りにかいていきますが、途中で、前にかいたものにブランチを付け足して、かき足しても構いません。
かく順序は、特に決まっているわけではありません。
ある程度かき終えたら、最後にマインドマップを俯瞰してみましょう。
すると、離れた場所のもの同士に関係があることや、全体の中でどこが大切かに気づくことがあります。
そうしたら、関係のあるところ同士は「矢印」でつなぎましょう。また、全体の中で大事なところは、「クラウドマーク (雲状の印)」をつけましょう。
最後に、マインドマップにさらなる工夫を凝らしてみましょう。
たとえば、「ナンバー」をかき込んで、順序や優先順位を表したり、「★」などの「マーク」をかき込んで、なんらかの意味を持たせても良いでしょう。
マインドマップは、色や形になんらかの意味を持たせ、言葉だけでは表現できないことを、上手に表現することができるツールです。工夫をすればするほど、役に立つものになります。
あなたらしい工夫を、どんどんかきこんでみましょう!