![写真 「ひらめきの電球」](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/s0a56e948896337df/image/i3ed5afc43b3e1120/version/1525787211/%E5%86%99%E7%9C%9F-%E3%81%B2%E3%82%89%E3%82%81%E3%81%8D%E3%81%AE%E9%9B%BB%E7%90%83.jpg)
塚原美樹です。
今回からは、マインドマップを「アイデア創造」に活用する方法についてお話ししていきたいと思います。
まず、初回は、「思考の枠をはずす」ことについて考えてみたいと思います。今までにないような新しいアイデアを生み出したいと思っても、つい、既存の思考の枠の中で考えてしまい、ちっとも新しいアイデアにならないということはありませんか。
では、どうしたら、思考の枠をはずすことができるのでしょうか。
1.従来の思考の枠を確認する
思考の枠をはずすためには、まず、「自分が、思考の枠の中で考えている」ことに、気づかなくてはならないでしょう。
たとえば、今、なんらかの問題が発生していて、その問題解決のためにアイデアが欲しいとします。既存の思考の枠にはまらないアイデアを得るためには、まず、自分の思考の枠を確認しましょう。
自分の思考の枠を確認するために、普段行っている「考えの道筋のたどり方」をミニマインドマップで書き出してみてはどうでしょうか。
たとえば、「業務が溜まっていて残業が増えている」という問題について考える時、普段はどのように考えるか、そのプロセスを書き出してみましょう。
![ミニマインドマップ 「業務がたまり残業が増加している」 (作: 塚原 美樹)](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=655x10000:format=jpg/path/s0a56e948896337df/image/if391d1d55f625cb6/version/1525787234/%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97-%E6%A5%AD%E5%8B%99%E3%81%8C%E3%81%9F%E3%81%BE%E3%82%8A%E6%AE%8B%E6%A5%AD%E3%81%8C%E5%A2%97%E5%8A%A0%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B-%E4%BD%9C-%E5%A1%9A%E5%8E%9F-%E7%BE%8E%E6%A8%B9.jpg)
私の場合、このミニマインドマップを書くことで、こんなことがわかりました。
普段は、問題解決策を考える際に、
「現状を把握 → 原因を推測 → 改善点を修正」
という思考パターンを取っているのです。
自分の思考のパターンを確認するためには、普通に
「どうすれば、業務が溜まって残業が増加しているのを解消できるだろうか?」
と考え、その時に浮かんだことを書くのでかまいません。
浮かんだ考えの抽象度を上げて、
「今考えているのは、現状分析ってことだな」
と概念的な内容に置き換えると、より明確に思考のプロセスを確認できます。
2.視点の次元を上げる
何かの問題解決について考える時、多くの人は、
「現状を把握 → 原因を推測 → 改善点を修正」
といった思考パターンを取ることと思います。
これは間違った方法ではないのですが、実は、このパターンで考えると、現在の問題が起きているのと同じ次元でしか問題解決しないということがあります。
どういうことかと言うと、たとえば先ほどのケースであれば、「業務がたまってしまうのは、スピードが遅いか、業務量が多すぎるかどちらかが原因だと考え、仕事のスピードを上げる努力をしたり、スピードが早い人に入れ替えたり、業務量を減らすなどといった形で問題解決をする」ということです。
こういう問題解決は、いわば対症療法的な問題解決です。
このような問題解決で終わってしまうと、人が変わればまたスピードが落ちたり、業務量を減らせば、他にその分のひずみが生じたりと、本質的な解決には至りません。
今動いている仕組みの中で、どうにかこうにか、問題が起きないようにしているだけです。
では、どうすれば良いかと言うと、問題解決に取り組む際の視点の次元を上げるのです。
実は、多くの場合、問題が本質的に解決されないのは、問題解決に取り組む際の視点の次元が低いためなのです。これは、言い換えると、目の前に見えていることしか見ていない、問題を取り巻く全体の関連性が分からないため、問題解決できないということです。つまり、全体をシステムとして見なければ、本質的な問題解決はできないのです。
では、視点の次元を上げるとどうなるかというと、先ほどの例であれば、
「今は業務がたまっているということだけど、そもそも、その業務って、本当に必要なの?」
といったことを考えることになります。
これは前提を考え直すことでもあります。今起きている問題の前提となっていることは、本当に前提として必要なのかを考えるということです。
または、
「そもそも、それぞれの業務は何のためにあるのだろうか?」
と考えてもいいでしょう。
「仕事のスピードを上げるか、業務量を減らすかだ」
と考えていた時とくらべると、前提を考え直すことで、仕事全体について大きく捉え直すことができています。これが視点の次元を上げるということです。
視点の次元を上げることができれば、それまでの自分がどれだけ小さな思考の枠の中で考えていたかが分かるでしょう。視点の次元が上がれば、全く違ったアイデアが浮かぶはずです。
「業務のうち、しないで良いものや、やり方を変えたほうが良いものはないか?」
「この業務全体は、会社にとって本当に必要なのか?」
となってくれば、最初の「現状を把握 → 原因を推測 → 改善点を修正」という思考パターンとは、また違ったアイデアが出てきそうですよね。
3.自分の思い込みに気をつける
この例のように、私たちは、意識していないと、気づかないうちに自分が属している次元の中だけで考えてしまいがちです。なぜかというと、「今の現状の前提になっていることは仕方のないことだ」という思い込みが心のどこかにあるからです。
自分の思考を縛り、視点の次元を上げることを邪魔している思い込みはないか、常に考える癖をつけると、もっと創造的なアイデアが生まれてくることと思います。
まず、今の考えをマインドマップにかき出してみましょう。そして、その考えの前提になっているものを、もう一度考え直してみてください。すると、自分の思い込みに気づき、視点の次元を上げるきっかけがつかめるかもしれませんよ。
シリーズ記事 「マインドマップでアイデア創造」